デリバティブ取引所世界最大手のCMEグループは15日、暗号資産(仮想通貨)であるXRPとSOL(ソラナ)を対象としたスポット連動型先物の取引を開始した。
今回取引が開始される新商品の最大の特徴は、従来の先物契約とは異なり、スポット(現物)市場の価格条件で取引できる点だ。これにより、投資家は先物特有の複雑な価格計算を気にせず、より馴染みのある現物価格に近い感覚でポジションを持つことができる。
また、満期日が長く設定されているため、従来の先物取引で必要だった頻繁な「ロールオーバー(期限が来た契約を次の期限の契約に乗り換える作業)」の手間やコストを削減できるメリットもある。これにより、長期的な視点でのポジション維持が容易になる一方、ポジションの売買もスムーズに行える柔軟性が提供される。
CMEグループの暗号資産プロダクトグローバル責任者であるジョバンニ・ビシオーソ氏は、「今年6月に開始したビットコインとイーサリアムのスポット連動型先物は、これまでに130万契約以上が取引されるなど強い需要がある」と述べ、今回の追加の背景を説明した。
さらに同氏は、「これらの契約は、当社の暗号資産商品の中で最も小さいサイズで設計されており、日常的なトレーダーにとってより精密な取引と市場へのアクセスを提供する」とコメントしている。
CMEグループによると、先行して開始されたビットコインとイーサリアムのスポット連動型先物は順調に成長を続けている。ローンチ以来の平均出来高(ADV)は11,300契約で、直近の第4四半期では18,400契約、12月単月では35,300契約へと急増しており、11月24日には単日で60,700契約という過去最高記録を更新した。
今回のXRPとソラナの追加により、CMEグループの暗号資産先物ラインナップはさらに拡充され、投資家にとっての選択肢と柔軟性が向上することになる。
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