ロシアの主要証券取引所であるモスクワ証券取引所(MOEX)とSPB証券取引所が、ロシア中央銀行(CBR)の国内市場における暗号資産(仮想通貨)規制のコンセプトを支持し、関連する規制が整い次第、暗号資産取引を開始する用意があると述べた。地元メディア「RIAノーボスチ通信」が12月23日に報じた。
ロシア中央銀行は同日、国内市場における暗号資産規制に関するコンセプトを策定したと発表した。同コンセプトでは、2026年7月1日までに立法基盤を整備するという。その後2027年7月1日から暗号資産市場における仲介業者の違法行為に対し、違法な銀行業務と同様の責任を導入する計画が示されている。
モスクワ証券取引所は、暗号資産市場向けのソリューションに取り組んでおり、関連する規制が整い次第、暗号資産の流通を開始する予定だと、取引所の広報を通じて述べた。
同取引所は、ロシア金融市場で信頼性と有効性が実証されてきたソリューションは、暗号資産の売買を組織化するうえでも高い適用可能性があるとの見解を示した。また規制コンセプトは外国為替市場での業務経験を活用しており、同取引所グループが取引、クリアリング、決済技術において国際的な文脈で独自の能力を有していると説明した。
一方、SPB証券取引所は法的規制に必要な変更が行われ次第、暗号資産取引を開始する用意があると述べた。同取引所は、取引および決済に対応する技術インフラを有しているとのこと。SPB証券取引所はあわせて、ロシア中銀の取り組みを支持すると述べた。規制市場の枠組みの中で、関連インフラを発展させるための共同作業に参加する姿勢も示している。
ロシア中央銀行が公表した規制コンセプトでは、デジタル通貨およびステーブルコインを通貨価値として認め、売買を可能とする一方、国内での支払い手段としての利用は認めない方針が示されている。
また、非適格投資家については法令で定められる流動性の高い暗号資産に限り、テストを受けたうえで、1仲介業者あたり年間300,000ルーブル(約4,000ドル)を上限として購入を認めるとしている。適格投資家は、匿名型を除く暗号資産を取引額の制限なく購入できるが、いずれもリスク理解に関するテストを受ける必要がある。
暗号資産取引は既存のインフラを通じて行われる想定で、取引所、ブローカー、信託運用者は現在保有するライセンスに基づき業務を行えるとされている。一方で、暗号資産を扱う特別なデポジタリーや交換業者については、別途要件が設けられる予定だ。
参考:RIAノーボスチ通信・ロシア中央銀行
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