2026年1月4日、ベネズエラのニコラス・マドゥロ政権が米国の経済制裁を回避するため、「影の備蓄」として最大60万〜66万BTC(600億ドル/10兆円相当)を蓄積している可能性があることが明らかになりました。
諜報機関の報告では、同政権が数年間にわたり金の売却や制裁下での石油取引、仮想通貨マイニング施設の接収など、複数の経路を通じて秘密裏にビットコイン(BTC)を蓄積していたとされています。
この蓄積の運用体制を巡り、BTC備蓄の秘密鍵管理者として、マドゥロ政権の側近とされるアレックス・サーブ氏が関与していた可能性も指摘されています。
さらにサーブ氏については、関係当局の捜査過程で、2016年からDEA(米麻薬取締局)の情報提供者でもあったことが裁判資料から明らかになっています。
こうした秘密鍵の所在が不透明な状況を受け、専門家らは、米当局が秘密鍵を確保してビットコインを押収した場合、全BTC流通量の約3%が事実上凍結され、市場での供給減少による価格への影響が生じる可能性があると指摘しました。
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諜報筋によれば、ベネズエラは2018年頃から国の資産売却益をビットコインに換える秘密の「影の金融システム」を構築していたといいます。
2018〜2020年には金を売却し、その収益約20億ドル(約3,140億円)を平均5,000ドルでビットコインに交換して約40万BTCを取得したと報じられています。
この約40万BTCは現在の価格で約360億ドル(約5.7兆円)に相当し、備蓄の初期段階を構成していたとされています。
その後、国営石油会社を通じ、原油輸出の決済をドルではなくステーブルコイン「テザー(USDT)」で受領し、得たUSDTをビットコインへ再交換する手法で追加蓄積を図ったと伝えられています。
加えて、違法マイニングの摘発で接収したBTCも備蓄に組み入れられたといいます。
情報筋の推計では、備蓄の内訳は2018〜2020年の金取引で約450〜500億ドル(約7.1兆円〜7.8兆円)、2023〜2025年の石油取引で約100〜150億ドル(約1.6兆円〜2.4兆円)、マイニング接収で約5億ドル(約786億円)に上ると伝えられています。
制裁下で、これら複数の経路を通じた蓄積が行われていたと指摘されています。
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蓄財ネットワークの中心にいたとされるアレックス・サーブ氏は、マドゥロ政権の複雑なマネーロンダリング計画を主導した人物です。
制裁違反の資金洗浄容疑で米国に起訴されていましたが、同氏が過去に2016年からDEA(米麻薬取締局)に内通していたことも明らかになっています。
サーブ氏の内通を背景に、米政府が同氏を通じ、この「影の備蓄」構築をリアルタイムで監視していた可能性も指摘されています。
2026年1月3日、ニコラス・マドゥロ氏が米特殊部隊に拘束され、所在不明だった巨額ビットコインの行方がクローズアップされました。
推定670億ドル(約10.5兆円)相当のビットコインの秘密鍵を巡り、米国をはじめ国際当局とマドゥロ政権残党の間で熾烈な争奪戦が展開中と報じられています。
このビットコインについては、米当局が押収できれば、政府の「戦略的ビットコイン備蓄」に組み入れられる可能性があるとされています。
市場への影響として、過去にドイツ当局が5万BTCを売却した際、市場価格が15〜20%急落した例があり、60万BTC規模の供給凍結は未曽有のショックをもたらすとの見方も出ています。
一方、秘密鍵が旧政権側に隠匿されたままであれば、この巨額なビットコインは公的資産とならず、市場から永遠に消失する恐れもあると伝えられています。
空爆報道で仮想通貨市場が動揺
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今回の件を通じ、仮想通貨が国際的な制裁や紛争で一定の役割を果たしている実態が浮き彫りになりました。
関連する動きとして、イラン政府が武器輸出の決済手段として仮想通貨受け入れを提案する動きもあり、制裁と仮想通貨を巡る国際的なニュースが相次いでいます。
英紙フィナンシャル・タイムズによれば、イラン国防省傘下の輸出機関「Mindex」はミサイルや無人機などを仮想通貨や物々交換で販売し、西側制裁を迂回しようとしているといいます。
米財務省はすでに、イランやロシアが仮想通貨を用いて制裁を逃れているとして関連企業やネットワークに制裁を科しており、仮想通貨の利用動向にも影響が及んでいる状況です。
こうした国際情勢を背景に、仮想通貨が既存の銀行決済や国際送金網に依存しない取引手段として利用されるケースが増えているとされています。
仮想通貨市場では国際情勢の影響を受けやすい状態が続いており、各国政府による仮想通貨の活用や規制も今後さらに進む可能性があると見られています。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=157.14 円)
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Source:Blockonomi報道
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