IRGCが関与、10億ドル規模の仮想通貨資金移動 ブロックチェーン分析企業TRM Labsは2026年1月9日、イランのイスラム革命防衛隊(IRGC)が2023年以降、約10億ドル(約1,580億円)相当の仮想通貨を移動 […]IRGCが関与、10億ドル規模の仮想通貨資金移動 ブロックチェーン分析企業TRM Labsは2026年1月9日、イランのイスラム革命防衛隊(IRGC)が2023年以降、約10億ドル(約1,580億円)相当の仮想通貨を移動 […]

イラン革命防衛隊、1,600億円相当の仮想通貨を移動|英国取引所経由で制裁回避か

IRGCが関与、10億ドル規模の仮想通貨資金移動

ブロックチェーン分析企業TRM Labsは2026年1月9日、イランのイスラム革命防衛隊(IRGC)が2023年以降、約10億ドル(約1,580億円)相当の仮想通貨を移動させていたとする調査報告を公表しました。

報告によると、これらの資金は英国に登録された仮想通貨取引所を経由して送金されており、国際的な経済制裁を回避する目的で利用されていた可能性があると指摘されています。

これらの資金移動の大半は、米ドル連動型ステーブルコイン「テザー(USDT)」を中心に行われており、国境を越えた送金のしやすさが、制裁回避の手段として利用された背景にあるとTRM Labsは分析しています。

問題とされている取引所は「Zedcex」および「Zedxion」の2社で、いずれも英国法人として登記されているものの、実態としては密接に連動した運営が行われていたとみられています。

TRM Labsは、こうした構造が規制当局の監視を受けにくい環境を生み、IRGC関連資金の移動経路となっていた可能性があると指摘しています。

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仮想通貨を利用したIRGCの制裁回避ネットワーク

制裁対象となったIRGCと資金移動の制約

IRGCはイランの中核的な軍事組織で、ワシントンポスト紙によると、米国や欧州連合からテロ組織として指定され、長年にわたり厳格な経済制裁の対象とされてきました。

同隊はハマスやヒズボラなど中東地域の武装勢力を支援してきたとされ、従来の国際金融システムでは資金移動が極めて困難な状況に置かれてきました。

その代替的な資金移動手段として、仮想通貨が利用された可能性があるとTRM Labsは分析しています。

英国登録取引所が果たした中継拠点の役割

TRMによるブロックチェーン解析では、英国の仮想通貨取引所「Zedcex」と「Zedxion」がIRGCの資金移動インフラとして機能していた実態が示されています。

両取引所は表向きには一般利用者向けの仮想通貨取引所として運営されていましたが、実際には国境や通貨規制を超えた価値移転を可能にする中継拠点となっていたとされています。

両取引所を通じて移動したIRGC関連資金は、2023年から2025年までの累計で約10億ドルに達し、総取引量の過半を占めました。

調査では、少額の入出金を繰り返す取引パターンを手掛かりとした追跡分析が行われ、取引所のウォレットがIRGC関連アドレス、海外の仲介業者、さらにイラン国内の仮想通貨取引所を結ぶ資金ハブとして機能していたことが確認されています。

加えて、2024年末にはIRGCが管理していたとされるウォレットから、米国が制裁対象として指定しているイエメンのフーシ派資金調達者のアドレスに対し、1,000万ドル(約16億円)を超える資金が直接送金されていた事例も明らかになりました。

登記情報に浮上した制裁対象人物の影

TRM報告書は、Zedxion社の登記取締役として記載されている「Babak Morteza」が、制裁逃れで知られる実業家ババク・ザンジャニ氏本人である可能性にも言及しています。

ザンジャニ氏は2013年に米国および欧州から制裁指定を受け、イラン国内では横領などの罪により死刑判決を受けた経歴を持つ人物です。

こうした人物が関与していた可能性は、本件が単発的な不正取引ではなく、国家レベルの地下金融ネットワークと結びついていることを示唆しています。

制裁網をすり抜けた仮想通貨取引所運営の実態

また、Zedxionの公式サイトでは、AMLやKYCの徹底、制裁国ユーザーの排除を掲げているものの、実際の対象国リストにイランは含まれていないことも報告されいます。

Zedcexも同様にイランを明示的な禁止対象としておらず、両取引所は今回の指摘について取材要請に応じていないとされています。

TRM Labsのアリ・レッドボード氏は「制裁下にある軍事組織が海外で仮想通貨インフラを構築・運用している実態を示す事例だ」と述べています。

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国家主体による制裁回避と仮想通貨の国際的課題

2025年に急増した仮想通貨不正取引の実態

ブロックチェーン分析企業チェイナリシスの最新レポートによると、2025年における仮想通貨関連の不正取引額は少なくとも1,540億ドル(約24兆円)に達し、前年から162%増加して過去最大規模となりました。

中でも、制裁対象者への仮想通貨流入は前年の約7倍に拡大しており、ステーブルコインが不正資金移動全体の約84%を占めるまでに存在感を強めています。

北朝鮮やロシアにも広がる仮想通貨活用

イランでは、制裁指定ウォレットを介した累計の資金移動額がすでに20億ドルを超え、ヒズボラやハマス、フーシ派といった武装組織への仮想通貨供与もかつてない規模に拡大しています。

こうした傾向はイランに限らず、北朝鮮による仮想通貨ハッキングや、ロシアによるルーブル連動トークンの活用など、国家主体が仮想通貨を戦略的に利用する動きが相次いでいる現状を反映しているとチェイナリシスは分析しています。

従来の金融制裁が想定していなかった領域において、仮想通貨が新たな資金移動手段として利用されつつある実態が明らかになりました。

今回のIRGCを巡る事案は、国際社会が「仮想通貨を含むデジタル金融の監視と規制をどのように再構築していくのか」という課題を改めて突きつけるものとなっています。

※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=157.89 円)

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Source:TRM Labs調査報告
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用

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