大手マーケットメーカーのウィンターミュートは13日、半年に一度のOTC(店頭取引)市場レビューを公開した。同レポートでは、2025年の暗号資産(仮想通貨)市場が従来の「4年サイクル(ビットコインの半減期サイクル)」の動きとは異なる展開を見せたことが指摘されている。特にビットコインなどの主要資産への資金集中が顕著であり、市場構造の大きな変化が浮き彫りとなった。
レポートによると、2025年の取引活動はビットコイン
BTCやイーサリアム
ETH、および一部の大型トークンに集中した。これは主にETF(上場投資信託)やデジタル資産トレジャリー企業(DAT)を通じた資本流入が原因である。従来のサイクルとは異なり、主要通貨で得られた利益がアルトコインへ還流(循環)する動きは見られず、銘柄間でのパフォーマンス格差が拡大し、市場の広がりは限定的となった。
デリバティブ、特にオプション取引が急増した点も2025年の大きな特徴だ。OTCにおける取引高と取引数は前年比で2倍以上に増加している。特筆すべきは、単発的な方向性への賭けではなく、システム化された利回り追求やリスク管理戦略がフローを支配した点であり、デリバティブ市場がより成熟した段階へ移行したことを示唆している。
アルトコイン市場では、新たな投資テーマや話題は次々と現れたものの、その勢いが持続することはなかった。2024年には約60日間続いた価格上昇の波は、2025年には平均してわずか19日間にまで短縮している。これは市場参加者の確信度が低下し、長期的な視点よりも、より戦術的で短期的なリスクテイクへと資金の性質が変化したことを反映している。
価格変動が乏しい相場環境であったにもかかわらず、市場参加者とOTCデスクとの連携はむしろ強まった。投資家は単に相場の方向性に賭けるのではなく、取引の秘匿性や確実な約定、資金効率を優先するようになっている。その結果、OTC取引の執行力の重要性が増し、より洗練された取引手法へとシフトしている。
今回のデータは、暗号資産市場が「特定の話題性が主導する単純なサイクル」から脱却しつつあることを示している。現在は構造的な制約の中で、いかに有利な価格で約定できるかという執行能力が重視される局面へと移行しており、特にビットコインなどの大型銘柄において顕著だ。市場は投機的な段階を越え、確立された資産クラスとしての成熟度を高めていると言える。
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