オーストラリア証券投資委員会(ASIC)の委員長、Joe Longo(ジョー・ロンゴ)氏は1月27日、年次報告書「Key Issues Outlook 2026(2026年の主要課題展望)」で、暗号資産(仮想通貨)や人工知能(AI)の急速な革新が金融システムにもたらす潜在的リスクについて警告した。報告書は2026年に特に注視すべき複数のリスク領域を指摘しており、その中で暗号資産とAIについても取り上げられている。

報告書では、暗号資産・決済・フィンテック関連企業など、既存の規制の枠外で急成長するプレーヤーが規制の不確実性を悪用しうるとして、消費者が無許可の助言や誤解を招く行為にさらされるリスクを指摘している。

AIについては、金融サービスへの急速な導入が業務効率やサービス提供を変革する一方で、AIを悪用したサイバー攻撃や詐欺が増加しており、企業のレジリエンスや消費者保護を揺るがしかねないと報告書で言及している。

ASICは、技術革新そのものを否定するのではなく、適切なガバナンスとリスク管理の枠組みを求める姿勢を強調している。報告書では、AI・暗号資産技術の進展が市場構造を再編する可能性を認めつつも、規制の不整合が消費者の保護を不均一にし、信頼を損なう危険性があるとして、2026年の主要な課題に位置づけた。

|文・編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock


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