バイナンスとFTXの関係は、暗号資産業界で長らく議論されてきたライバル関係として知られる。今回、チャンポン・ジャオ(CZ)氏がこれまでで最も詳細な公の見解を語った。
CZ氏は、FTXの2022年破綻よりはるか前に、協力関係が競争へと変わった経緯を説明した。
オールイン・ポッドキャストにて、元バイナンスCEOのCZ氏は、関係の始まりを2019年初頭にさかのぼると述べた。当時、サム・バンクマン=フリード(SBF)氏はアラメダ・リサーチを経営していた。
CZ氏によれば、アラメダと後のFTXチームは間もなく、デリバティブ取引プラットフォームでの協業をバイナンスに提案した。共同事業構想を含む複数の提案がなされ、バイナンスに有利な内容であった。
最終的に、2019年末にバイナンスが出資を決定した。
この取引には、BNBとFTTを用いたトークンスワップも含まれており、バイナンスは少数株主となった。CZ氏は以下を強調する。
初期の協業にもかかわらず、CZ氏は関係が急速に悪化したと述べた。同氏はSBF氏がワシントンの政策・規制関連の場でバイナンスを批判しているとの話を聞くようになったという。
また同氏は採用方針にも強い不満を持っていたとし、FTXがはるかに高額の給与を提示してバイナンスの社員を引き抜いたと訴えた。さらに、FTXはその採用者を使い、バイナンスのVIP顧客に対して競合する提案を行っていたとも主張した。
CZ氏は表向きは協調的な姿勢を貫き、業界イベントでも共演を受け入れていたが、水面下ではすでにライバル関係が激化していたと示唆する。
2021年初頭までに、FTXは評価額が320億ドルに達する資金調達を行っていた。CZ氏によれば、バイナンスは将来の資金調達ラウンドに対する契約上の拒否権を持っていたが、それを行使しなかった。
撤退は2021年7月に完了し、2022年11月のFTX破綻よりおよそ1年半前であった。
最終的にFTXは、顧客資金がアラメダ・リサーチの損失補填に流用されていた事実が明るみに出て破綻した。これにより流動性危機と経営破綻を迎えた。
バイナンスが2022年11月にFTT保有分の売却を決断したことが、バンクランを加速させた。ただし、その後の調査と裁判で破綻の本質的原因は内部不正や経営陣のガバナンス不全だったと認定されている。
CZ氏は、2021年の撤退で得た資金の返還を求めるFTX破産管財団による法的争いなど、現在進行中の訴訟については多くを語らなかった。ただし、同氏はバイナンスが株主だった当時はFTXの内部財務に一切アクセスできなかった点を重ねて主張した。
CZ氏の証言を総合すると、バイナンスとFTXの関係は突然破綻したのではなく、徐々に崩壊へと至ったことがうかがえる。同氏の発言が示すように、両社の関係は初期の協力から、激化する競争、そして危機よりはるか前の戦略的撤退という推移をたどった。
SBF氏は、CZ氏の主張に関するBeInCryptoのコメント要請に現時点では応じていない。
