米国上院常設調査小委員会の上級委員リチャード・ブルーメンソール(Richard Blumenthal)上院議員は、仮想通貨取引所バイナンス(Binance)が制裁対象のイランおよびロシア関連企業と約17億ドル規模の取引を処理した疑惑を巡り、同社への調査を開始した。
議員は同社のリチャード・テン(Richard Teng)CEO(最高経営責任者)に書簡を送り、制裁管理体制やコンプライアンス手続きに関する内部文書や記録の提出を求めている。提出期限は2026年3月6日に設定された。
調査の焦点となっているのは、バイナンスのパートナーとされるヘキサ・ホエール(Hexa Whale)およびブレスド・トラスト(Blessed Trust)の関与だ。
両社がイラン政府機関やフーシ派を含むテロ組織、ロシアの影の石油船団に関連する取引の仲介役を務めていた可能性が指摘されている。バイナンスはイラン関連の口座を約2,000件維持し、内部警告があったにもかかわらず約20億ドル(約3,117億円)近い送金を許可していたとの指摘もある。さらに、IRGC(イスラム革命防衛隊)に関連するウォレットへの送金や、ロシアの石油制裁回避に関与したとされるタンカー乗組員への支払いが追跡されたとされる。
ブルーメンソール氏は、関連アカウントの通信記録、内部報告書、アカウント情報の提出を要求している。また、違反の可能性を指摘したコンプライアンス担当者の停職や解雇に関する記録も開示対象に含めた。
バイナンスは疑惑を否定している。同社は疑わしい活動を自主的に特定し当局へ報告していると説明し、イランのユーザーはプラットフォームへのアクセスを禁止していると強調した。リチャード・テン(Richard Teng)CEOは一連の報道を名誉毀損に当たると主張している。
同社は2024年1月以降、イラン関連活動へのエクスポージャーを約97%削減し、総取引量の約0.009%まで低下させたとしている。バイナンスは2023年、マネーロンダリング(資金洗浄)対策および制裁違反を巡り規制当局と和解し、43億ドル(約6,698億円)の支払いに同意した。創業者のジャオ・チャンポン(趙 長鵬:Zhao Changpeng)氏はCEOを辞任し、独立したコンプライアンス監視体制の導入など改革を進めてきた経緯がある。
今回の調査は、和解後に強化されたコンプライアンス体制が実効性を持っているかを検証する局面となる。提出期限までに示される資料の内容が、今後の規制対応に影響を与える可能性がある。
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