元英国首相のボリス・ジョンソン氏は14日、X(旧ツイッター)に「ビットコインは巨大なポンジースキームだと長年疑ってきた。その確信を深めるような悲惨な話を聞いた」と投稿した。英大衆紙「Daily Mail」に寄稿したオピニオンコラムへのリンクを添えた投稿は、同日中に300万回超の表示を記録している。
コラムの発端は、ジョンソン氏が地元教会で知り合った老紳士の体験談だ。老紳士はパブで近隣の村の男性から「500ポンドを預ければ倍になる」と勧誘され、3年半にわたる「手数料」の支払いを繰り返した末に2万ポンド(約422万円)を失った。ジョンソン氏は老紳士に「あなたは何らかの詐欺の被害者だ」と伝えたという。
しかしジョンソン氏はこの詐欺被害をビットコイン全体への批判の根拠とした。「ビットコイン
BTCとは何か。それはコンピューターの中に保存された数字の羅列に過ぎない。誰がそれを管理しているのか」と問いかけ、金やポケモンカードには内在価値があるがビットコインには「保有者の集団的な信念」以外何もないと主張した。
管理者不在のリスクにも言及した。価値が暴落しても訴える中央銀行はなく、退陣を求める政府もない。「コードが解読された場合、誰に話せばよいのか」と皮肉る。
「すべての暗号資産は基本的にポンジースキームで、常に新しく騙されやすい投資家を必要とする」とも述べ、英オックスフォードシャーの農村部の高齢者にまで被害が及んでいることを「非常に怒りを感じる」と表現した。
ジョンソン氏の投稿には、Xのコミュニティノート機能による反論が付記された。内容は2点だ。
第1に「ポンジースキームの発行者は人工的に高いリターンを約束し、リスクはほとんどないと宣伝する」(コーネル大学ロースクール定義より)。第2に「ビットコインには発行者がいない。価値は純粋に自由市場が決める。コードは完全に公開されており、参加は任意だ。誰もあなたに特定のバージョンを強制することはできない」(github.com/bitcoin)。
コミュニティノートが暗示するのは、ジョンソン氏の知人が被害に遭ったのはビットコイン自体ではなく「ビットコインを騙った詐欺師」であり、その詐欺の構造こそがポンジースキームに近いという点だ。ビットコインとビットコイン詐欺を混同した論立てに対し、定義の誤りを正す形となった。
マイケル・セイラー氏(ストラテジー会長)もジョンソン氏の発言に対し「ビットコインは分散型であり、発行者が存在しない」と反論したと伝えられている。
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